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創刊号ブログ 愛媛のスポーツマガジン「エッジ」

by たまさぶろ

【創刊号ブログ】愛媛のスポーツマガジン『Edge(エッジ)』

 学生時代から「創刊号マニア」を自称して来たものの、出版業はもはや「斜陽産業」でもあるせいか、ちょこちょこ原稿を書いたところで、まったく誰にでも注目されない。

 よってしばし創刊号について述べることを逡巡していたのだが、書庫を覗いて考え直した。「この子たちに陽の目を当ててやらないといかんのじゃ…」。

 それならブログあたりで、のんびり公開しても罰は当たるまい。

 そんなわけで、まずは今年創刊された、学生時代の同期が編集長を務めるこちらからお披露目。

  「愛媛のスポーツマガジン Edge(エッジ)」は、2018年2月28日に愛媛新聞社から創刊された文字通り「愛媛のスポーツ」に特化した雑誌だ。

『エッジ』創刊号 表紙は秋山  愛媛の方、四国の方からすれば釈迦に説法なテーマだが、愛媛は野球どころとして名高い。

  「野球」という和訳を考案したのは明治27年(1894年)、鹿児島出身の中馬庚(ちゅうま・かのえ)による(この方、なぜか名前の読みが定まっていない珍しい方です)。だが、なぜか通説では愛媛県松山市出身の正岡子規とされることが多いのも、その縁あってこそと思われる。正岡子規が「野球」という和訳の発明者とされるのは、その野球愛からだろう。幼名「正岡升(のぼる)」という本名にひっかけ自身の号を「野ボール(野球)」とし、おそらくこれが広まることで「正岡子規=野球」説が広まったと考えられる。これが野球と愛媛を結ぶ「なれそめ」だろう。

 また日本野球黎明期から存在感を放つ方々を多く輩出しているのも理由のひとつだろう。巨人の「初代監督」とされる藤本定義の活躍を知る若者は少ないかもしれない。

  これまたプロ野球黎明期のミスター・タイガース 景浦將も松山出身。コミック『あぶさん』の主人公「景浦」の名は、彼にちなんだとされている。

  以降、巨人の藤田元司(投手および監督)、西本聖投手、遊撃手だった河埜和正、愛媛県人初のメジャーリーガー元ヤクルトの岩村明憲など時代を代表する野球選手を輩出し続けている。

  よって半ばスポーツ業界に身を置く私からすると「愛媛のスポーツ専門雑誌」は奇異なことでもなんでもなく、愛媛だからこそ「ありえる」雑誌だと考える。

  発行人は土居英雄、編集人は元永知宏。これが私の同期である。

  創刊号の特集は、その雑誌の行方を占う意味でも興味深い。目次にさっと目を通しても中々、唸らせるチョイス。巻頭特集は「愛媛から世界へ」と題し、サッカー日本代表元監督、現FC今治の岡田武史オーナーにインタビュー。将来のエースと目される阪神の秋山拓巳投手、現・福島オーブスの岩村明憲監督、ジュビロ磐田の川又賢碁選手、さらには声優・水樹奈々とけっこう豪華なメンバーが出揃う。

  愛媛にはプロ野球団こそないものの、元巨人で投手だった河原純一監督が率いる愛媛マンダリンパイレーツが、日本独立リーグ野球機構・四国アイランドリーグの雄として人気を博しており、今年は後期優勝を果たしている。

  また、サッカーもJ2にFC愛媛があり、先のFC今治も「世界」を目指している。バスケットボールもB2の愛媛オレンジバイキングスが存在。他にも県内学生スポーツの動向や結果を掲載しており、話題に事欠かない県民事情がありそうだ。

創刊号は企画の宝庫  雑誌はもちろん有料ではあるが、購読費だけで賄える商売ではない。入広(いりこう)、つまり広告収入の比重は非常に高く、現在のファッション誌が大した部数でもないにも関わらず、つぶれずに存在するのはそのためだ。この広告も重要な表4(つまり裏表紙)には愛媛トヨタ、表2(表紙の裏)にはレクサス松山、表3(裏表紙の裏)には三浦工業株式会社と地元企業のしっかりしたサポートが感じられる。愛媛新聞社の広告営業の力強さを思い知る出来だ。ちなみに三浦工業さんは、松山で創業された世界に展開するボイラー屋さん。地方の企業力が極めて侮れないと痛感する。

  元雑誌屋としては、けっこうワクワク感満載な新雑誌。地方活性化のためにも、こんなメディアは今後、増えて行くのかもしれない。他地方からしても、ひとつのロールモデルに違いない。 

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